第37回広島県医学検査学会 レポート

令和 2 年 2 月 15、16 日に広島 YMCA 国際文化セン ターにて、第 37 回広島県医学検査学会が開催されま した。今回の学会は令和への元号変更もあったこと から、「新しい時代を迎えて」というテーマのもと新 しい試みも行われた学会でした。

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15 日は、学会に先駆けて開催された「集まれ広臨 技」では、三桝副会長より「ウェブサイトの必要性」 と各部門による「知ってほしい、知ってよかった広 臨技」と題して2題の会員向けの発表ありました。 私は広報部に所属していますが、広臨技を運営され ている他部門の役員の方々のお話を聞き、ウェブサ イトの必要性や技師会の運営など理解することがで きました。引き続き学会の新しい試みの一つである 「みんなで考える症例検討会」が行われました。症 例 1 は「おなかが痛い」症例 2 は「足がしびれる」 を主訴に来院した患者様の検査データ、画像所見な どから原因検索を行っていく企画でしたが、今回は クリッカーを用いることで学会参加者の意見がリアルタイムで反映される内容となっていました。

現在の臨床検査技師は更なる専門分野の向上を目指し日々研修会などに参加していますが、その専門性を全て合わせて全体を見る力も大事だと感じました。

16 日はモーニングセミナーとして聖隷浜松病院 臨床検査科の米川修先生から「臨床支援を見据えた これからの検査室」についてご講演がありました。 聖隷浜松病院では異常値が見つかった場合、臨床検 査技師が一度データを解析し臨床検査専門医である 米川先生に確認していただき、臨床の医師への追加 検査のアドバイスなどを行っているとのことでした。

この取り組みによって検査室は臨床へアピールする ことができ、臨床の医師は検査値の見落としが少な くなるという関係性が築かれていて感銘を受けまし た。15 日に行われた症例検討会などでデータを見る 力を養い、臨床に貢献できる臨床検査技師でありた いと感じました。モーニングセミナーが終了後、会 員による一般演題発表が午前と午後に分かれて14 題ありました。

ランチョンセミナーを挟み、一般 市民の方々に、臨床検査技師について理解していた だくため「臨床検査プロモーションタイム」を組織 調査部の大塚技師に講演していただきました。引き 続き行われた市民公開講座は広島大学病院遺伝子診 療部の檜井孝夫先生から『がんの本質に迫る「がん ゲノム医療」の現状と課題』と題してご講演があり ました。

一般市民の参加者にもわかりやすく、がんゲノムの基礎から検査方法、そしてこれからのがんとの向き合い方について話されていました。今後、 臨床検査技師としてがんゲノムに関わっていくため に身に着けておきたい知識を明確にさせていただく ご講演でした。 今回の学会は市民を含めて 2 日間で 338 名の参加 がありました。

学会を開催するに当たり、ご尽力頂いた学 会長、実行委員長ならびに実行・実務委員の皆様、 お疲れ様でした。また、ご協力いただいた賛助会員 の皆様にお礼申し上げます。

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広報部 村田 竜也