第20回東部地区学会 レポート

広報部 錦織沙弥

 平成30年11月4日(日)、福山市生涯学習プラザ(まなびの館ローズコム)にて、第20回東部地区学会が開催されました。 今回は一般演題4題、特別講演、シンポジウムという内容で会が進みました。 一般演題では血液検査部門が1題、生理機能検査部門が2題、生化学・免疫検査部門が1題でした。東部地区学会は若手技師の登竜門ということもあり、今回も若手技師が多く発表されていました。どれもしっかり研究、検討がされており、とても興味深い内容ばかりで、質疑応答も活発に行われました。

 特別講演では、福山市にあるフジゼミ塾長の藤岡克義先生をお招きし、「大切なのは・・つまずき 寄り道 回り道」と題し講演していただきました。藤岡先生のゼミは、非行や不登校、高校中退といった生徒たちを国公立大学や難関私立大学に合格させる奇跡の塾と呼ばれており、先生ご自身もかつて非行に走り、高校を2度中退され、20歳の時に立ち直り大学に進学されたという経験を持たれています。講演では、フジゼミではどのような勉強を行っているか、先生がどうやって大学に合格したかというお話や、ゼミを開くことになったきっかけ、また、親子関係についてなどもお話してくださいました。回り道をすることによって気づけることもあるということを教えていただき、大変貴重な講演となりました。  シンポジウムでは「西日本豪雨災害・広島県の状況」と題し、4名のシンポジストの方が講演されました。

 済生会呉病院の有谿技師には施設の被害状況をお話していただきました。災害当時の写真を公開していただき、当時の被害の大きさやたいへんな苦労を感じ取ることができました。検査機器の水の使用量には驚き、断水時には出来るだけ水を使用しない機器などを準備、把握しておくことが大切であるとおっしゃっていました。

 福山市民病院の平田技師はDMATの対応についてお話されました。各施設の状況把握や避難所の情報収集などの活動内容や、災害が起こった時にDMATがどのような流れで動いていたのかなど、DMATの活動について詳しく知ることができました。

 広島県赤十字血液センターの山口先生には血液センターの対応についてお話していただきました。血液の搬送にとても時間が掛かり、道路は寸断され、高速道路もストップしていたため海や空からの搬送も行われたそうです。また、災害時に電話やFAXが繋がらず血液製剤の発注ができないということもあっ たそうです。血液センターではインターネットを使用した発注システムも行っており、参加者の皆様に登録を呼びかけておられました。

 最後に森田会長から広臨技の対応についてお話がありました。広臨技では、会員の被害状況の把握や、被災された会員への共催金の支給、DVT検診などが行われました。 近年、異常気象も多く、いつまたこのような大きな災害が起こるかわかりません。今回の経験をきっかけに災害に対する意識を高め、災害が起きた時にしっかり対応できるよう準備していかなければならないと思いました。

 学会終了後は懇親会会場へ移動し、桑田理事の開会の挨拶で懇親会がスタートしました。今年は東部地区学会が開催されて20回の節目の年ということで、会の最中にこれまでに東部地区で行われた学会や新入会員オリエンテーションなどの写真がスクリーンで上映されました。中にはとても懐かしい写真もあり、職場の先輩方の若かりし姿など、なかなか見ることのできないものも拝見することができ、東部地区の活動の歴史を感じることができました。写真を見ながら懐かしまれたり、話の話題になったりしていてとても良い企画となったのではないかと思いました。

 そのほかにも参加者の皆様の名前をランダムに使ってのビンゴゲームやじゃんけん大会などあり、あっという間に楽しい時間が過ぎて行きました。 今回の東部地区学会では150人を超える参加があり、過去最高の参加人数で会を開催することができました。参加された会員、賛助会員の皆様や講師の先生方、ご協力ありがとうございました。また、東部地区理事をはじめ運営に携わってくださった地区委員や学術部門員の皆様、お疲れ様でした。